この早さなら言える

うちの母ちゃん、介護の仕事してるんだけど、とある婆さんの家で仕事してたらそこの息子(六十代)に口説かれて困ってた
仕事終わったら飯に行こうとか、うちで暮らせばいいとか…
うちは母子家庭ってのもあって貧しいと思われたのか、やたら金をちらつかせてきたりして厄介だった
困った母ちゃんは自分の会社に言って訪問先を変更してもらおうとしてた

そんな矢先、そのおっさんは死んだ
死んでから母ちゃんに聞いたら、そのおっさんは熱狂的な共産党員で、一緒に支部に行こうなどとも言われていたらしい
死んでいい人間などいないと思ってはいるが、正直そのおっさんだけは死んでくれてホッとした
さようなら、名もなき共産党員よ