NHKニュース 3月13日 21時44分

成田空港に3本目の滑走路を建設するなどとした拡大案が国や周辺自治体などでつくる協議会で最終合意されました。
拡大案が実施されれば、航空機が発着できる回数が現在の1.7倍になる予定で、開港40年となる成田空港は大きな転換点を迎えました。

成田空港の拡大案は、3本目の新しい滑走路をおよそ10年後をめどに建設し、
現在午前6時から午後11時までとなっている運用時間を午前5時から翌日の午前0時半までに段階的に延長することが柱です。

13日夜、国、空港会社、千葉県、それに、周辺自治体からなる4者協議会が開かれ、拡大案は最終合意されました。

拡大案をめぐっては地元住民の騒音への強い反発を受けて、国と空港会社が2度の修正を行ったほか、
千葉県が周辺自治体に対する地域振興策を策定するなどして、理解を求めた結果、すべての関係自治体が受け入れる意向を示していました。

拡大案が実施されれば、航空機が発着できる回数が年間50万回と現在の1.7倍に大幅に増える予定です。

羽田空港の国際化やアジアの空港で拡張が進み、国際競争力の向上が課題となるなか、開港40年となる成田空港は大きな転換点を迎えました。

■千葉県 森田知事「引き続き丁寧に説明」

千葉県の森田知事は「今回の成田空港の拡大案は、地元、県、国のさらなる発展に大いに寄与すると思っている。
成田空港は皆様に支えられて成り立っており、引き続き地元の住民の皆さんに丁寧に説明して、理解を得られるようにしたい」と述べました。

■成田市 小泉市長「機能強化 環境保全 地域振興一体で」

成田市の小泉一成市長は「議論が始まって以降、200回を超える住民説明会を行い、丁寧な説明と意見交換を重ねてきた。
住民の理解は進んだと考えているが、今も住民の間でさまざまな思いや不安を感じている人がいることも認識しており、
空港の機能強化と住民の生活環境の保全、地域振興を一体として進めていきたい」と述べました。

■横芝光町 佐藤町長「悩みに悩んだうえでの結論」

騒音の影響が大幅に増えると見込まれることなどから拡大案に慎重な姿勢を示し続け、12日になって受け入れを表明した横芝光町の佐藤晴彦町長は、
「すべての要望が受け入れられた訳ではないが、関係者は可能な限り努力してくれたと思う。
悩みに悩んだうえでの結論だが、ほかの自治体に乗り遅れることなく、地域振興を図るとともに、不安を抱いている多くの住民に寄り添い理解を求めていきたい」と述べました。

■空港会社 夏目社長「地域に寄り添いながら精いっぱい努力」

成田空港会社の夏目誠社長は「最終合意が得られたことは感無量で、成田空港にとって歴史的な一日になった。
わが国と地域の将来がかかっているプロジェクトに身が引き締まる思いだ。地域に寄り添いながら精いっぱい努力したい」と述べました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180313/k10011363711000.html?utm_int=news-new_contents_latest_002