>>540
歯が語るアイヌの先住性  講師 松村博文(札幌医科大学)
http://www.frpac.or.jp/about/files/sem1721.pdf

人には絶壁頭という頭の短い人と、才槌頭という頭の長い人がいます。
近畿地方を中心として圧倒的に頭の短い人たちが多く、東に行くほど頭が前後に長い人が多くなってくることがわかりました。
大阪大学の小浜基次はもともと頭の長いアイヌ系の人が広く日本に分布していて、朝鮮半島から短頭の人が流入してきたというふうに考えたのです。

比上肢長という体に対する腕の長さの比と足の長さの比をみると、アイヌ、東北人、畿内人の順に長い。
つまり、アイヌの人たちが一番腕や脚が長く、畿内人は一番胴長短足の人たちなのです。
朝鮮半島の人々も畿内人と同じように腕や脚が比較的短いことがわかりました。

男性の髭は北海道と琉球でよく発達しており、近畿地方の人や朝鮮半島の人ではさほどでもありません。

蒙古襞が発達しているのは近畿の人たち朝鮮半島の人々です。
琉球と北海道の人は目がぱっちりしていて、涙腺がまぶたであまり覆われていません。

いろいろ見ていくと、畿内人と朝鮮半島の人々は北方アジア的な寒冷地適応型の体の特徴を持っている。
沖縄とアイヌの人は似ている。それから東北人はアイヌに近い特徴を示す。
といった共通した地域差の傾向がみてとれます。

頭骨の形の地域性は1980年代に埴原和郎が明らかにしています。
やはり畿内の人々は平均的な日本人とは全然違う人たちだということがはっきりしました。
どういうふうに特殊かというと、顔が面長で平たんな顔といった渡来系の弥生人の特徴を濃厚に持っているのです。