岐阜市が水道水源地を切り替え 椿洞産廃問題に絡み
2018年03月14日08:46
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20180314/201803140846_31771.shtml

 岐阜市椿洞の産業廃棄物不法投棄事件に絡み、市は不法投棄現場の南東約2キロに位置する岩野田水源地を廃止し、7日までに雄総水源地に切り替えた。岩野田水源地を巡っては、地元住民から産廃の水道水へ悪影響を懸念する声が上がっており、住民は「ようやく安心して水を使用できる」と安堵(あんど)している。
 不法投棄現場の脇には原川が流れ、下流で鳥羽川に合流。合流地点から約500メートル下流に、地下水をくみ取る岩野田水源地がある。給水人口はおおむね岩野田、岩野田北、常磐各地区の約1万8千人。水質は基準に適合していたが、地元住民からは不安の声が上がっていた。
 市によると、事件発覚前から岩野田水源地を廃止し、長良川の水をくみ上げる雄総水源地に統合する計画はあったが、住民の要望を受け2008年に計画を5年ほど前倒しすることを決めた。以降、配水管工事などが行われ、今年2月までに雄総水源地からの水をためて各地に配水する岩野田配水池(同市岩崎)が完成。3月7日に水道水の水源が切り替わった。
 地元住民らは事件発覚後、付近の水をくみ、簡易検査機で独自に水質を検査していた。長年検査してきた元粟野西自治会連合会長の増田実さん(82)は「切り替わるまでは、いつ住民に病人が出るか心配だった。これで終結したという気持ち」と話した。市上下水道事業部は「水質に問題はなかったが、市民に安心して使用してもらえることはうれしい」としている。