愛知県特産の豆みそ「八丁味噌」が、国の地域ブランドとして登録されたことについて、愛知県岡崎市にある老舗の2社が、みその製造方法が異なるなどとして、14日農林水産省に不服を申し立てました。

申し立てを行ったのは、発祥の地とされる岡崎市で江戸時代から続く「まるや八丁味噌」と「合資会社八丁味噌」の2社です。両社の社長が、14日農林水産省を訪れ、知的財産課の担当者に審査請求書を手渡しました。

農林水産省は、去年12月愛知県内の40社余りが加入する組合の申請を認めて、「八丁味噌」を地理的表示保護制度に基づく地域ブランドに登録しました。

これについて2社は、申請した組合に加盟する会社の製品と自社の製品とでは、製造方法や品質に大きな違いがあるなどとして、「八丁味噌」の地域ブランドとしての登録を取り消すよう求めています。

申し立てのあと都内で記者会見した「まるや八丁味噌」の浅井信太郎社長は、「長らく製法を守ってきたわれわれの製品こそが『八丁味噌』で、ほかのみそとは別物だ。伝統的でない製法でも認めてしまう国のやり方は理解できない」と訴えました。

一方、農林水産省知的財産課の尾崎道調査官は、「申し立ての内容を確認したうえで、法律に基づいて対応したい」と話しています。

みそ組合「老舗側との合意難しい」
これについて、愛知県味噌溜醤油工業協同組合の富田茂夫専務理事は「老舗側とは産地などの考え方が大きく異なり、われわれも主張を変えるつもりはないので合意するのは難しいと思う。組合としては国の方針に応じて粛々と対応したい」と述べました。
そのうえで、組合に加盟する一部のメーカーは来月から地域ブランドを名乗った業務用八丁みその販売を始める予定だということです。

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