3月22日 5時51分
ヨーロッパ南東部のコソボの議会で、隣国モンテネグロとの間の国境線を決める合意の承認を阻止しようと、野党の議員が催涙ガスを議場で放出させて採決を中断させる騒ぎがあり、議員5人が警察に拘束されました。
旧ユーゴスラビアの一部だったコソボは、隣国モンテネグロとの間で国境線をめぐる議論が続いていますが、EU=ヨーロッパ連合への加盟を目指す両国の大統領はことし2月、事態を打開しようと国境線を暫定的に確定させることで合意しました。
この合意を議会として承認するかどうかの採決が21日に行われましたが、反対する野党の議員が議場に催涙ガスを放出させて、採決を中断させる騒ぎがありました。
地元メディアによりますと、与党側はガスが落ち着いたのを受けて採決を再開しようとしましたが、野党の議員たちは催涙ガスをその後も3度放出させていて、警察は議員5人を拘束しました。
5人は「合意を承認すれは領土を失うことになる」として採決を阻止するのが狙いで、コソボが将来の加盟を目指しているEUの代表は「民主主義国家にあるまじき行為だ」として今回の行為を強く非難しました。
議員が拘束されたあと採択は再開され、コソボの議会は賛成多数で合意を承認しましたが、今回の催涙ガス騒ぎは、現在の領土にこだわる野党からの根強い反発を浮き彫りにしました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180322/K10011374141_1803220554_1803220555_01_02.jpg