共産党の不破哲三前議長(88)は時事通信のインタビューに応じ、
天皇の政治関与を禁じた憲法4条について「昭和天皇の時代には、ほとんど守られなかった」との認識を示す一方、現天皇は「心得ている」と評価した。
来年5月1日の新天皇即位に伴う一連の儀式に関し「国民主権と政教分離の原理にかなった新しい方式を編み出すべきだ」と提言。
女性・女系天皇に賛意を示した。

 不破氏は憲法が定める象徴天皇制について、昭和天皇は「憲法4条なんか問題にしない態度だった」との見方を示した。
一方で「現天皇はその点はちゃんと心得ていて、4条はきちんと守るという態度に終始している。
現憲法にふさわしい行動を取ったのは現天皇からだ」と指摘した。

 共産党の旧綱領は「君主制の廃止」を掲げていたが、不破氏が主導した2004年の綱領改定で「(天皇制を含む)憲法の全条項を守る」と容認姿勢に転換。
「(天皇制の)存廃は将来、国民の総意によって解決されるべきもの」と明記しており、
不破氏は「共産党から提案し、宣伝して廃止しようという意味ではない」と説明した。

 「剣璽(じ)等承継の儀」など天皇即位に関する儀式については
「全て国家神道の行事だ。政教分離の原則に反する。国民主権でも全くない」と国事行為とすることを疑問視した。
 皇室典範が皇位継承権を男系の男子に限ると規定していることに関しては「男女同権の原則が入らないのはおかしい」と述べた。
元号制度については「(元号で)時代が区分される時代ではない。やめた方がいい」と反対した。

 ◇不破哲三氏略歴
 不破 哲三氏東大卒。1969年の衆院選に共産党から立候補して初当選し、2003年に議員を引退するまで11回連続当選。
書記局長、委員長、中央委員会議長を歴任し、「党の理論的支柱」とされる。88歳。東京都出身。

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