毎日新聞 2018年4月7日 09時33分(最終更新 4月7日 11時06分)
(記事元に足跡とみられる写真あり)
https://mainichi.jp/articles/20180407/k00/00e/040/207000c

絶滅種、本格調査へ

 絶滅したとされるニホンカワウソの目撃情報が栃木県那須町沼野井地区で相次ぎ、町民有志でつくる
「なす魚類調査クラブ」(山田正美会長)がカワウソに詳しい専門家に協力を求め、本格的な調査に乗り出す。
よく似た足跡も撮影されており、関係者は「本物ではないか」と期待している。

 ニホンカワウソはイタチ科の哺乳類で、以前は北海道から九州の水辺に生息していた。しかし、
乱獲や環境の変化などで個体数が減少し、環境省が2012年に公表したレッドリストで「絶滅種」と位置づけた。

 目撃情報は同クラブ員によるもので、昨年8月に1件、10月に2件続いた。昨年12月には
クラブ員が川辺の土管の中で、ニホンカワウソとよく似た7センチほどの足跡を見つけてカメラで撮影した。

 調査は14日、沼野井地区の余笹川河川敷で実施する。会員ら約20人で「ニホンカワウソ調査隊」を編成。
専門家から生態、習性などの講習を受けてから現場に出向いて、足跡やフンを探したり、夜行性のため
赤外線カメラをつけたドローン2機や定点カメラ4台による撮影などを計画している。

 町には川の環境保全活動などを補助する「川基金」制度があり、調査は町の委託事業として実施する。

 山田会長は「(足跡は)本物に近い形をしており、かなり期待がもてる。ニホンカワウソであることを突き止め、
自然豊かな那須町を証明したい」と期待を寄せる。
【柴田光二】