トランプ米大統領の支持率がわずかながら上昇傾向にある。

元ポルノ女優の過去の不倫関係の告白や政権幹部の相次ぐ更迭など、
一見マイナスになりそうな要因が続いているにもかかわらず、響いている様子はない。

政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス(RCP)」によると、
各種世論調査の最新の支持率平均値は41.5%で約1カ月前の39.8ポイントから上昇。
昨年12月に記録した政権発足後最低の37.0%と比べ、4.5ポイント持ち直している。

支持率の底割れを防いでいる第一の要因は好調な経済とみられる。
RCPの経済についての評価の最新の平均値は、支持が48.9%で不支持の44.7%を上回った。

トランプ氏とオバマ前大統領のどちらが「現在の経済状況に責任を負っているか」を
尋ねるキニピアック大の毎月の調査では、昨年はオバマ氏が常に上回っていたが、2月以降トランプ氏が逆転している。

加えて、特徴的なのが共和党内での支持の強固さだ。
3月下旬のCNNテレビ調査では、共和党支持層の86%がトランプ氏を支持すると答え、前月比で6ポイントも増えた。

 トランプ氏は最近、中国に対する追加的な貿易制裁の検討に入ったほか、
不法移民流入のためメキシコ国境への州兵派遣を命じるなど「米国第一」路線を一層鮮明にしている。
トランプ氏についての著書がある保守系サイトの編集者クリス・バスカーク氏はラジオ番組で、
「国境の壁の予算がほとんどつかず、トランプ支持者たちは当惑していたが、
今は、心に響く政策に戻ってきてくれたと喜んでいる」と指摘する。

一方、CNNの調査で、民主党支持層のトランプ氏への「支持」は前月と同じ5%にとどまる。
支持率の底堅さは、党派間の分断が固定化している裏返しとも言えそうだ。 

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018040700409&;g=int