https://www.cnn.co.jp/m/fringe/35112711.html

2018.04.14 Sat posted at 17:50 JST
(CNN) 1980年代や90年代は、「低脂肪」ラベルの貼られていない食品の購入はタブーだった。当時、バターや卵黄は「食べてはいけない」食品リストの上位だったのに対し、精製炭水化物や加工食品はちゅうちょなく食べられていた。

しかし、時代は完全に変わった。

最近では、多くの専門家が脂肪は体に必要不可欠な栄養素と指摘しており、全乳やアボカド、ギー、ココナツオイルといった脂肪分の高い食品がスーパーフードの仲間入りをしている。

そこで、脂肪に関する5つの間違った通説を検証してみる。



通説1:食べた脂肪はそのまま体の脂肪になる

これは低脂肪食品などの基礎となっている考え方だが、真実とはかけ離れている。脂肪を食べたからといって太るわけではない。むしろ、脂肪を全く取らなかったり脂肪の摂取量を制限したりすると体重の増加につながる可能性がある。この理由のひとつは、脂肪を食べないと物足りなさが残るためだ。逆に、高脂肪食品は減量に役立つという調査結果もある。

通説2:飽和脂肪は太るので「食べない」

飽和脂肪は長年、健康を脅かす食品の筆頭とされてきたが、最近の研究によると、それほど恐れる必要はないようだ。無論、常に赤身肉やバターばかりの食事を取るのは良くないが、たまに食べても健康(や腰のくびれ)を損なうことはない。

高脂肪食品を食べることよりも悪いのは、高脂肪食品の代わりに大量の砂糖を取ることだ。精製炭水化物は冠動脈性心疾患や糖尿病を発症する確率を高める可能性がある。

通説3:どんな脂肪でも健康問題を引き起こす

実際には、さまざまな種類の脂肪を食べると、むしろ健康になる。例えばオメガ3脂肪酸(魚やナッツ類などに含まれる)は心臓の健康を高め、精神衛生の向上に役立つこともある。またオリーブオイルやナッツ類、アボカドに含まれる一価不飽和脂肪も心臓病のリスクの低下につながる可能性がある。

通説4:高コレステロール食品はLDLコレステロール値を上げる

以前は、コレステロール(脂肪の一種)の高い食品は体に悪いと考えられていたが、これはもはや当てはまらない。医学博士でダイエットに関する多くの著書があるマーク・ハイマン氏によると、食事で取るコレステロールは必ずしも体内の「悪玉」コレステロール値を上げるわけではなく、HDL(善玉コレステロール)を増やすことにもつながるという。

通説5:脂肪はフィットネスの目標達成を妨げる

持久力を必要とするスポーツ選手の中には、「ケトジェニックダイエット」と呼ばれる食事法を採用している人もいる。この食事法は、1日のカロリーの70%から75%を脂肪から取り、5%から10%を糖質から取るというものだ。

この食事法のメリットとデメリットは、現在も多くの研究者が調査中だが、スポーツ栄養士のパメラ・ニセヴィッチ・ビード氏によると、この食事法により、糖質よりも脂肪が優先的に燃焼しやすい体質になるという。

これは、一時的な絶食と似たような作用によるもので、肉体はエネルギーのためのグリコーゲンを消費し尽くすと脂肪のような別のエネルギー源の消費に向かうという。

ただし、ケトジェニックダイエットで食べられる典型的な高脂肪の食事は、チーズバーガーやフライというわけではなく、アボカドや魚、ピーナツバター、肉、卵などだ。また、パスタやピザをよく食べる人の場合、炭水化物が少なく脂肪の多い食事に切り替えるには体がなれるまでに3〜5週間程度の時間がかかることにも留意しよう。