世界最大手の英広告会社グループWPPは14日、マーティン・ソレル最高経営責任者(CEO)が辞任したと発表した。ソレル氏が会社の資産を不正に流用した疑惑が出て、同社が調査していた。同社は14日の声明で調査は終了したとしたが、具体的な内容は明らかにしなかった。

 ソレル氏は1985年に金属かごメーカーを買収し、翌年にCEOに就任。主力事業を広告・マーケティング業務に変え、企業買収を重ねて世界約110カ国に約20万人を抱える世界最大手に育てた。2016年の年間報酬は4815万ポンド(約73億円)。英主要株価指数(FTSE100)を構成する大手100社の経営者の中でも最高額の実力経営者として知られる。

 ソレル氏の15年の年間報酬は7041万ポンド(約107億円)だったが、株主の批判を受けて16年は大幅に減額していた。それでも、英シンクタンク「ハイ・ペイ・センター」などの調べによると、英主要株価指数を構成する100社の経営者では、2位の米英系クルーズ船運営大手「カーニバル」のアーノルド・ドナルドCEOの2236万ポンド(約34億円)を大きく引き離してトップだった。(ロンドン=寺西和男)

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