学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部開設を巡り、愛媛県今治市の幹部ら一行が柳瀬唯夫首相秘書官(当時)に面会する直前の二〇一五年三月、首相官邸側から文部科学省に「愛媛県や今治市、
加計学園の関係者が近く首相官邸を訪問する」と伝えていたことが十一日、文科省関係者への取材で分かった。 

 一行が一五年四月二日、柳瀬氏と面会した記録文書について、愛媛県は担当者が作成したと認めている。柳瀬氏は「自分の記憶の限りでは、県や市の方に会ったことはない」としているが、文科省
関係者の証言で県文書の信ぴょう性があらためて裏付けられた。

 文科省関係者によると、一五年三月、官邸側から「近く県や市、学園の関係者が官邸に来ることになっている。官邸で誰が対応し、どういうスタンスで答えるのがいいか、文科省の考えを参考に
したい」と文科省側に連絡があった。同省側は「特区として対応すべきではなく、全国レベルの問題として考えるべきだ」と伝えたという。

 官邸側から連絡したのは、当時、内閣官房に出向していた文科省幹部で、本紙の取材に「覚えていない」と答えた。

 文科省関係者は「一自治体の職員が首相官邸を訪問することは、普通に考えて、あまりない。何らかのルートを使ったのだろう」とみている。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018041290070710.html