ある男が、共産党へ入党手続きに訪れた。
「あなたの職業は?」
「著述業です」
「著述?労働者とは言えないな。じゃ、あなたのご両親の仕事は?」
「父は弁護士。母は商人の家系です」
「なんだ、資産家か。で、あなたの奥さんは?」
「トリーアの貴族ルートヴィヒ・フォン・ヴェストファーレンの娘です」
「ええ?ああ、ダメだダメだ!あなたは社会主義にも共産主義にもふさわしくない反動だな。まあ、一応名前だけ聞いておこうか」
「…カール・ハインリヒ・マルクスと言います」