鳥取県で町おこしのため県の許可をえて大麻を栽培していた男が逮捕されてから1年半。厚生労働省が都道府県に慎重に検討するよう通知する中、三重県が新たに神事用の大麻の栽培を認める決定をした。どんな背景があるのか。

 栽培が認められたのは「伊勢麻振興協会」(三重県伊勢市、2014年設立)。理事には県内の神社を束ねる県神社庁長らが名を連ねる。協会によると、大麻には「けがれ」を払う効果があるとされ、繊維を加工した「精麻」は、神職がおはらいに用いる祭具や神社のしめ縄などに使われている。

 だが、生産者の減少で国産の精麻の価格は高騰。ほとんどが中国産のものや化学繊維の代替品になったという。協会理事の新田均・皇学館大学教授(神道学)は「日本の神々に捧げるものは、日本の神々の恵みを受けたものでなければならない。外国産を使うのは、カリフォルニア米で造ったお神酒(みき)を捧げるような感覚」と訴える。

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