鹿児島県日置市で男女5人が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された岩倉知広容疑者(38)が、祖母久子さん(89)について「両親の離婚への対応などに昔から不満があった」と供述していることが捜査関係者への取材で判明した。一方的に不満を募らせた末、事件当日、久子さんの小言から衝動的に殺害し、止めに入った父正知さん(68)も殺して2人の遺体を遺棄したとみられ、県警は勾留期限の28日、岩倉容疑者を2人に対する殺人と死体遺棄の疑いで再逮捕する方針。

 捜査関係者によると、岩倉容疑者は3月31日夜、テレビを見るために自宅アパート近くの久子さん方を訪れた。その際、久子さんから受けた注意で口論となり、顔などを殴った後に首を絞めて殺し、止めようとした正知さんも同様に殺害。正知さんの車で遺体を近くの山林まで運び、埋めて遺棄した疑いがある。

 親族らによると、正知さんは、岩倉容疑者が子供の頃に離婚した。岩倉容疑者は、久子さんが両親の離婚を止めてくれなかったことなどへの長年の不満を供述する一方、正知さんを慕っていたとの趣旨の説明もしており、取り調べ中に事件を後悔するように涙を流すことが多いという。

 事件は今月6日午後、通報を受けた県警日置署員が、久子さん方で長男の妻、岩倉孝子さん(69)と孝子さんの姉、坂口訓子(くにこ)さん(72)の遺体を発見して発覚。さらに別の部屋で岩倉容疑者と同じアパートに住む無職、後藤広幸さん(47)が倒れているのが見つかり、県警は7日、岩倉容疑者を後藤さんへの殺人容疑で逮捕。久子さんと正知さんの遺体は、岩倉容疑者の供述通り近くの山林の土中から見つかった。【林壮一郎、菅野蘭】

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