FNNは、6日までの連休中に、オウム真理教の後継団体の若い信者が、松本 智津夫死刑囚がいる東京拘置所を訪れる、いわゆる「聖地巡礼」を行ったことを確認した。

事件を知らない若い世代の信者が、松本死刑囚を強く崇拝している実態が裏づけられた。

4月30日夕方、東京・葛飾区にある東京拘置所の周りをマスク姿で、ゆっくりと歩く若い女性。

この女性は、オウム真理教の後継団体「アレフ」の信者。

この信者は、麻原彰晃こと松本 智津夫死刑囚が収監されている拘置所を、少なくとも2周、およそ4kmを黙々と歩いた。

公安調査庁によると、これは、オウムの教義を信じるアレフの信者たちが「聖地巡礼」と呼ぶ行為。

“麻原教祖からパワーを得たい”という理由で、拘置所の周りを時計回りに歩くという。

この日は、埼玉・八潮市にあるアレフの施設で、ゴールデンウイークに合わせて開かれていた「集中セミナー」の最終日で、“聖地巡礼”が行われたのは、その帰りだったとみられている。

2018年3月には、オウム真理教による一連の事件の死刑囚13人のうち、7人が、東京拘置所から各地の拘置所へ移送され、死刑執行の時期が焦点となっている。

公安関係者によると、こうした“聖地巡礼”は、松本死刑囚の死刑執行を避ける祈りも兼ねているとみられるが、アレフは信者に対して、集団での“聖地巡礼”を控え、目立つことがないよう、指示しているという。

“聖地巡礼”をしていた若い女性信者は、「先ほどから歩いていらっしゃいますよね? 松本死刑囚のもとにいらしたんでしょうか?」、「麻原彰晃こと松本死刑囚は、大量殺人事件の首謀者ですが」などの質問に、無言を貫いた。

公安調査庁 調査第一部・小谷淳治課長は、「アレフはやはり、新規で入会する信徒は若い世代が増えている。地下鉄サリン事件などを知らない世代が勧誘されて」と話した。

公安調査庁によると、アレフは、毎年100人ほどの新しい信者を獲得していて、そのうち34歳以下が、4分の3を占めるという。

松本死刑囚の逮捕から23年となる今、事件を直接知らない若い世代の信者が、松本死刑囚を強く崇拝している実態が、今回の取材で裏づけられた。

2018年5月7日 月曜 午後0:24
FNNプライムニュース
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