05月11日 17時47分
宇佐市と豊後高田市、それに国東市が広域ごみ処理施設を共同で建設する計画の先行きが見通せなくなっています。
市長どうしの意見の対立から、ことし2月、工事契約を結ぶ議案が3市で作る事務組合の議会で否決されたのに続き、計画を再検討する有識者の委員会についても設置が断念されました。
宇佐市と豊後高田市、それに国東市の3市では、11年前に広域事務組合を設立し、新たに宇佐市に広域のごみ処理施設を共同で建設することを計画しています。
この建設計画をめぐっては、不正が行われているという情報が寄せられる中で入札が行われ、福岡市のプラントメーカーなどでつくる共同事業体が予定価格の94%余りにあたるおよそ229億円で落札しました。
しかし、豊後高田市の佐々木敏夫市長が「事業費が高すぎる」などと異論を唱え、ことし2月に開かれた広域事務組合の議会で、落札業者と契約を結ぶ議案が反対多数で否決されました。
これを受け組合の正管理者を務める宇佐市の是永修治市長が計画を再検討するため、有識者の委員会を設置する方向で調整を進めていました。
しかし関係者によりますと豊後高田市側と折り合えず、11日宇佐市で開かれた組合の全員協議会で、委員会の設置を断念したことを説明したということです。
広域ごみ処理施設は当初、来年度中に整備を終える計画でしたが、市長どうしの意見の対立が深まる中、先行きが見通せなくなっています。
広域ごみ処理施設の建設計画の先行きが見通せなくなっていることについて、宇佐市の是永修治市長は「計画が前に進んでいないことは管理者として至らないところだ。具体的な方法は決まっていないが、いろいろな人の意見を聞きながら案をまとめていきたい」と話していました。
豊後高田市の佐々木敏夫市長は「将来の人口減少を考えると、ごみ処理施設についても現実的な規模を考えなければならず、同じ失敗を繰り返さないよう正副管理者や議会が真剣に話し合うべきだ」と話していました。
国東市の三河明史市長は「三者で意見の一致を図りながらしっかり話し合いを重ねて前に進めていきたい」と話していました。