北海道新聞 電子版 05/13 10:44
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/189055
牛滝漁港で水揚げされ、その後、佐井漁港に運ばれた129キロの巨大魚(佐井村漁協提供)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article_photo/list?article_id=189055&;p=1478664&rct=n_topic

 青森県佐井村の牛滝漁港で大人の体長ほどある約129キロの巨大魚が揚がった。地元で「オヨ」と呼ばれる魚で、
オオクチイシナギとみられる。水揚げした佐井村漁協所属漁船「昌福丸」(12トン)の竹内晋司さん(37)は
「海で暴れる姿は、こいのぼりみたいで、テンションがマックスになった」と話す。珍しい巨大魚を
一目見ようと牛滝小中学校の子どもたちも漁港を訪れ、にぎやかな声が響いた。

 竹内さんは7日、底建て網を切り上げるために父、叔父、兄と牛滝沖へ出た。オヨは、
水深約60メートルに設置した底建て網に入っていたという。佐井村漁協によると、オヨは、
20年ほど前に同村磯谷沖にある大魚(およ)島付近で多く見られたが、最近は珍しいという。

 画像を確認した県産業技術センター水産総合研究所(野呂恭成所長)によると、オオクチイシナギとみられる。
県内では、かつて三厩漁協で多く漁獲されていたが、近年の水揚げは全県で年間数トン程度と推定されるという。

 同研究所に残る資料によると、県内最大記録は昭和30年代に三厩漁協で水揚げされた167キロ。
野呂所長は「大きくなる魚ではあるが、129キロはかなりの大物。相撲取りと同じくらいなのだから、
地元の方がびっくりしたのもうなずける」と話した。

 巨大魚は佐井村漁協に出荷され、地元の食堂が買い取った。食堂で刺し身を食べた同漁協職員の
福田忍さんは「白身で淡泊だが、脂も乗っていてうまかった」と語った。