https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180517/k10011441071000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_002

5月17日 4時14分
南米・チリにある世界最大の電波望遠鏡を使って、これまでで最も遠いおよそ133億光年かなたの銀河の観測に成功したと、大阪産業大学などのグループが発表しました。宇宙誕生から5億年というまもないころにできた銀河と見られ、星の成り立ちを解明する手がかりになると注目を集めています。

これは大阪産業大学や国立天文台などが参加する国際グループが、17日発行のイギリスの科学誌「ネイチャー」で発表しました。

グループでは、南米・チリにある世界最大の電波望遠鏡、アルマ望遠鏡を使ってしし座の方角にある「MACS1149−JD1」と呼ばれる銀河から、酸素の存在を示す電波の観測に成功しました。

この電波を解析したところ、この銀河は正確な距離がわかっている銀河の中で最も遠い、地球からおよそ132億8000万光年の場所にあることがわかったということです。

宇宙の誕生は、およそ138億年前とされていますが、今回観測されたのは、およそ132億8000万年前にこの銀河を出発した電波で、誕生から5億年後の宇宙の姿を伝えているということです。

グループでは、当時すでに活発に星ができていたことが確認できたとしていて、代表を務める大阪産業大学の橋本拓也研究員は、「最初の星がどのように生まれたのかを解明する第一歩だ。今後誕生直後の宇宙の姿を調べる動きが加速すると期待している」と話しています。