中日新聞社(名古屋市)の愛知県警担当だった男性記者が、取材先の元暴力団組員に対し、県警が報道機関に向けて発表した広報文を漏洩(ろうえい)していたことが16日、わかった。同社編集局は「取材で得た情報を報道以外の目的に使ったことは、記者倫理に反する行為で、重く受け止めている」などとしている。同社はこの記者の処分を検討している。

 同社によると、記者は県警担当をしていた当時、取材先として付き合いがあった元暴力団組員の男に対し、県警が発表した事件の広報文を、SNSなどを通じて数回渡したという。広報文には容疑者の氏名や住所などが記載されていた。

 元組員の男は、1月に県内の喫茶店で、中日ドラゴンズの私設応援団長の男性に「団長を辞めろ」などと迫ったとして、強要容疑で県警に逮捕された。

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