東秩父村白石地区で13日、地域の一切の疫病などを追放する民俗行事「白石の神送り」(県指定無形民俗文化財)が行われた。

 白石地区は上、中、下の3集落がある。それぞれ天王様が祭られている。

 午後1時、上の天王様で祭典を行った後、大澤真弓神官とヒノキの葉とサカキ、青竹で作った神輿(みこし)を先頭に、「厄病神を送るぞ」「風邪の神を送るぞ」「奈婦利神を送るぞ」「いじめの神を送るぞ」と墨書きした小旗を持った住民約30人が出発。

 一行は、住民がいった大豆を半紙に包み体の悪いところをさすり、天王様や辻に置いた包みを回収しながら約1・5キロ離れた唐沢の旧村境に向かった。到着すると住民の代表が槻川の大岩に神輿と小旗を置き、ワラジをフセギとしてつるし、行事を終えた。

 本来は5月の「初午の日」に行われていたが、近年は毎年第2日曜日に実施している。現在、県内で同様の行事が行われているのは白石地区と、ときがわ町大野地区の2カ所だけ。


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