https://www.cnn.co.jp/m/fringe/35119325.html
(リンク先に動画ニュースあり)

2018.05.17 Thu posted at 12:36 JST
(CNN) 5月17日は「世界ベイキングデー」。あらゆるデザートの中で最もオーストラリアらしいのは、もちろん「パブロバ」だと、シドニーのパティシエ、クリストファー・テー氏は言う。

パブロバはメレンゲとクリーム、フルーツなどのトッピングの3層のみで構成される。テー氏によれば、「いわゆる労働者階級のデザートで、単純な家庭料理。毎年クリスマスに食べるもの」だという。

実はパブロバを巡っては、オーストラリアとニュージーランドの間で何十年にもわたり、本当はどちらがパブロバを発明したのかという熱い論争が展開されてきた。


言い伝えによると、パブロバの名は、1920年に両国を訪問したロシアのバレリーナ、アンナ・パブロワに由来する。

2010年にはオックスフォード英語辞書が、パブロバの「真の」レシピは1927年にニュージーランドで記録されていたと指摘、論争は決着したかに見えた。

しかし2015年、ニュージーランドの芸術史家と、オーストラリアのプロダクション会社経営者が、結論に待ったをかける。

2年近くかけて何万冊もの料理本やニュースなどを徹底的に調べた結果、両氏が出したのは、米国と英国が発祥地だったという結論だった。

「パブロバに相当するレシピは、実はもっと古かった」。両氏はそう記している。「1901〜26年にかけ、パブロバのようなメレンゲケーキが150以上見つかった。ほとんどのレシピは米国が発祥だった」

パブロバの名を使った世界一古いレシピはニュージーランドで出版されていたことも判明。しかしこのパブロバはベリーやラズベリーのジェラートで、年代はパブロワが両国を訪れる15年前の1911年だった。

もっとも発祥がどこであろうと、「ケーキは単純に人を幸せにするもの」というテー氏の言葉には、誰も異論を唱えないだろう。