調査は2017年6〜7月、インターネットで実施。中国、香港、韓国などアジアの国に、アメリカ、オーストラリア、イギリス、フランスを加えた計12か国・地域の海外旅行経験者に尋ね、6274人が回答した。


2018年5月22日 07時20分

 外国人における「四国」の認知度は、「九州」や「関西」など国内の他の地域に比べて低いことが、日本政策投資銀行などの調査で明らかになった。

 一方、四国を訪れる外国人は日本を旅行し慣れ、富裕層が多いなど、インバウンド(訪日外国人客)対策に明るい兆しもうかがえる。

 認知度は、四国が14・6%で、北海道47%や九州29%、関西26%に大きく差をつけられ、東北10%や北陸5%を若干上回った。

 四国の認知度を国・地域別で見ると、香港44・7%、台湾41・9%、中国27・8%が上位に連ねた。四国の空港と定期便で結ばれるエリアが高かった。また、欧米豪の4か国では10%を超える国はなかった。

 回答者全体で訪日経験があるとしたのは44・5%の2792人。このうち四国に来たことがある人は6・7%の187人だった。訪日経験のある欧米の外国人のうち、1割前後が四国を訪れている。欧米の旅行者は滞在時間が長く、各地を周遊する傾向にあるため、四国を訪問する人も多いとみられる。

 四国に期待すること(複数回答)は、「自然や風景の見物」48・6%、「伝統的日本料理」44・4%、「史跡や歴史的な建築物の見物」39%などだった。

 四国訪問者は、「訪日2回目以上」が72・2%と高く、「訪日6回以上」は23%いた。日本を何度か旅行している外国人が四国を訪れているとみられる。高収入層の比率も49・2%と平均40・3%より高かった。とりわけアジアからの四国訪問者にはその傾向が顕著だったという。

 日本政策投資銀行四国支店は「リピーターも多く、四国の認知度は上がりつつある。今後は四国でしか味わうことのできないディープな体験をしてもらうなど、国や地域に応じた観光戦略が必要になってくる」としている。(猪股和也)

http://sp.yomiuri.co.jp/economy/20180522-OYT1T50003.html