【AFP=時事】タイ海洋沿岸資源局(DMCR)は2日、フェイスブック(Facebook)上で、プラスチック袋80枚余りを飲み込んだクジラが同国南部で死んだと明らかにした。現地ではこのクジラを回復させるため救助活動が行われてきたが、救命に至らなかった。

クジラの救命を試みるボランティアや獣医師ら
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 タイは世界的に見てもプラスチック袋の消費量が特に多く、訪問者の多い海岸の近くで、毎年数百の海洋生物がプラスチック袋を摂取したために死んでいる。

 DMCRによれば、今回死んだクジラは小柄なオスのゴンドウクジラ。マレーシア国境付近の運河で瀕死の状態で発見され、獣医師らが容体を安定させようとしたものの、1日午後に死んだ。

 検視の結果、重さにして8キロ、枚数で80枚ものプラスチック袋がクジラの胃に見つかった。また、クジラは救助活動が行われている間に5枚のプラスチック袋を吐き出していた。

 同国のカセサート大学(Kasetsart University)教員のトン・タムロンナワサワット(Thon Thamrongnawasawat)氏(海洋生物学)は、袋を飲み込んだことでクジラが栄養のある食物を摂取できなくなったと指摘。AFPに対し、タイの水域では毎年、ゴンドウクジラ、ウミガメ、イルカなど少なくとも300頭の海洋生物がプラスチックを飲み込んで死んでいると述べた。【翻訳編集】 AFPBB News

6/3(日) 8:07
AFP=時事
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