https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180607/k10011467571000.html

南海トラフ巨大地震や首都直下地震が発生したあとの長期的な経済被害を専門家の学会が初めて推計しました。
このうち、南海トラフ巨大地震では、道路の寸断や工場の損害によって20年間の被害が最悪の場合、
1410兆円に上るおそれがあり、学会は、国民生活の水準を低迷させる「国難」になるとして、対策の強化を求めています。

災害の専門家などで作る土木学会の委員会は、南海トラフ巨大地震や首都直下地震が発生したあとの長期的な経済被害を推計し、
7日、報告書を公表しました。

それによりますと、地震の揺れや火災、津波などで道路や港など交通インフラが寸断され、工場などの生産施設が損害を受けることで、
長期にわたって国民の所得が減少すると想定されるとしています。

こうした影響を計算した結果、地震発生後20年間の経済被害は、いずれも最悪の場合、南海トラフ巨大地震で1410兆円、
首都直下地震では778兆円に上るおそれがあることがわかりました。

これは、今年度の国の一般会計予算97兆7000億円余りに対し、首都直下地震はおよそ8倍、南海トラフ巨大地震はおよそ14倍に相当し、
土木学会は、長期的に国民生活の水準を低迷させる「国難」になると指摘しています。

一方、報告書では、道路や港、堤防の耐震化などを進めることで長期的な被害を3割から4割程度軽減できると試算していて、
国などに対策の強化を求めています。

南海トラフ巨大地震と首都直下地震の経済被害をめぐっては、5年前の平成25年に国が想定を公表していますが、
いずれも短期的な被害が対象で、20年後までの長期的な被害を対象にした推計は今回が初めてです。

土木学会会長「最貧国になりかねない」

土木学会の大石久和会長は「これだけの経済被害が生じるとは予想もしておらず、驚きだ。今のまま巨大災害が起きたら
想像もつかないようなことになる。日本が東アジアにおける小国、最貧国の1つになりかねないと考えている」と強い危機感を
抱いていることを明らかにしました。

そのうえで、「被害を軽減するため、政府は、国民にオープンにした形で法律に裏付けられた公共インフラの整備計画などを
打ちたてるべきだ」と述べました。

専門家「一刻の猶予も許されない」

土木学会の委員会の委員を務めた、巨大地震の防災対策に詳しい関西大学の河田惠昭特別任命教授は
「会社だと赤字で倒産するが、国の場合は滅亡する。南海トラフ巨大地震のような『国難災害』が起きると、
国が成り立たなくなると考えるべきだ」と指摘しています。

そのうえで、「今は、南海トラフ巨大地震も首都直下地震も、30年以内の発生確率が70%から80%ほどになっていて、
一刻の猶予も許されない時代に入っている。『想定外』という言葉は東日本大震災で最後にしなければならず、
そのためには新たな対策を進めていかなければならない」と話しています。


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1が建った時刻:2018/06/07(木) 12:18:44.50