太平洋戦争の激戦地・硫黄島(東京都小笠原村)が、火山活動によって急激な速さで隆起を続けている。

 島にある海上自衛隊の航空基地付近では、2017年の1年間だけで約1・2メートル隆起し、滑走路にひびが入るなどの影響が出ている。

 硫黄島は面積約22平方キロの火山島。火山活動は比較的活発で、数年に1度、小規模な水蒸気噴火が起きている。

 国土地理院によると、直近の隆起は2006年頃に始まり、11年頃から加速した。防災科学技術研究所によると、観測が始まった1976年から現在までに約10メートル隆起しているという。地下のマグマが上昇し、地盤を押し上げているとみられる。長期間にわたる隆起のペースとしては世界的にまれという。

http://sp.yomiuri.co.jp/science/20180608-OYT1T50082.html