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しょうゆ需要、米国がけん引=和食ブーム追い風に浸透
2018年06月09日15時31分

 【フォンタナ(米ウィスコンシン州)時事】世界的な和食ブームに乗って、海外でしょうゆの需要が伸びている。けん引役は輸出の4分の1を占める米国だ。日本メーカーの市場開拓努力もあり、さまざまな料理になじむ万能調味料として米国の家庭に浸透しつつある。

 米シカゴ郊外の大型スーパー「マリアノス」では、海外食品売り場の一角に瓶入りのしょうゆが並ぶ。日系メーカーの製品のほか、スーパーのプライベートブランド(PB)などが4段にわたって陳列され、有機や減塩など種類も豊富。日本のスーパー顔負けの品ぞろえで、約300ミリリットル入りが2〜3ドル(約220〜330円)程度で売られている。

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)が2013年に和食を無形文化遺産に登録したことが追い風となり、しょうゆの海外普及が加速した。健康志向の高まりもあって和食が人気を集め、17年の日本からの輸出量は過去最高の3万3564キロリットルと、12年(1万7337キロリットル)と比べほぼ倍増。最大の仕向け先である米国の17年は前年比3割増の8350キロリットルとなり、輸出量を大きく押し上げた。

 米国では現地生産も盛んだ。1973年に、キッコーマンがウィスコンシン州で生産を開始。98年にはカリフォルニア州の工場も立ち上げた。

 しょうゆで味付けした肉をスーパーで実演販売したり、レシピを新聞社に掲載してもらったりといった地道な努力も実り、同社によれば、米家庭の約6割がしょうゆを常備している。ウィスコンシン州在住のジェイコブ・フロレスさんは、自宅に常備しているしょうゆをステーキなどの味付けに使っているといい、「食材の多様な味を引き出してくれる」と話す。

 キッコーマンの堀切功章社長は6日午後(日本時間7日未明)、同州で記者会見し、米国でのしょうゆ販売について「使用頻度の低いヒスパニック系の市場を開拓する」と語った。