>>623
カンナビノイド受容体は全身に存在し、それぞれが様々な働きをしているから効くのですね。


【大麻成分は内因性カンナビノイド・システムに作用する】
医療大麻が病気の治療に役立つ最大の理由は、大麻成分が内因性カンナビノイド・システムに作用するからです。
大麻に含まれるΔ9-テトラヒドロカンナビノールはカンナビノイド受容体の鍵穴に合う偽鍵のようなもので、
内因性カンナビノイドと同じようにカンナビノイド受容体のCB1とCB2に結合してシグナルを伝達します。
Δ9-THCがエイズや進行がんの患者の食欲増進や体重増加の作用を発揮するのは、CB1とCB2に作用するからです。
前述のように、カンナビノイド受容体タイプ1(CB1)は中枢神経系において様々な神経伝達調節を行っており、
記憶・認知、運動制御、食欲調節、報酬系の制御、鎮痛、脂肪代謝など多岐にわたる生理作用を担っています。
カンナビノイド受容体タイプ2(CB2)は免疫細胞や白血球に多く発現し、免疫機能や炎症の制御に関与しています。
CB1は中枢神経系に多く発現し、CB2は免疫細胞に多く発現していますが、

カンナビノイド受容体(CB1とCB2)は多くの組織の細胞に存在し、多彩な生理機能の調節に関与しています。

脳幹部にはCB1はほとんど存在しません。これが大麻に致死的作用が無いことと関連しています。
脳幹部には呼吸中枢があり、モルヒネの受容体のオピオイド受容体は脳幹部の呼吸中枢にも多く存在するので、モルヒネ過剰で呼吸抑制が起こります。
大麻には呼吸抑制が起こらないので、致死的な副作用が発生しないのです。
内因性カンナビノイド・システムが関与している疾患として、
多発性硬化症、脊髄損傷、神経障害性疼痛、がん、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞、
高血圧、緑内障、肥満、メタボリック症候群、骨粗鬆症、うつ病など多数の病気が報告されています。
つまり、これらの疾患の治療に内因性カンナビノイド・システムの制御(活性化や阻害など)が有効である可能性が示唆されているのです。

大麻の主要なカンナビノイドであるΔ9−テトラヒドロカンナビノール(THC)とカンナビジオール(CBD)が奏功する症状が以下のようにまとめられています。