【ニューヨーク=宮本岳則】米朝首脳会談を受けた12日の米国株式市場では、軍需関連株が急落した。ミサイル防衛システムを手がける米ロッキード・マーチン株は一時、前日比3%安となり、5月4日以来、約1カ月ぶりの安値をつけた。米朝の両首脳が「完全非核化」に取り組むことを確認。東アジア情勢の緊張緩和で武器の需要が伸びないとの思惑が働いた。

 12日はロッキード社に加え、ミサイル製造の米レイセオン株が同3%安、爆撃機などを手がける米ノースロップ・グラマン株が同2%安で取引を終えた。米軍需関連株は地政学リスクを巡る思惑で動きやすく、5月24日にトランプ大統領が金正恩(キム・ジョンウン)氏との会談を中止すると公表した際は、軒並み上昇していた。

 もっとも、米株式市場全体への影響は軽微だった。ダウ工業株30種平均の12日終値は同1ドル58セント(0.01%)安の2万5320ドル73セントとなり、ほぼ横ばいだった。米金融サービスのミラー・タバック、マシュー・マリー氏は「投資家は明日以降に欧米の中央銀行が開く金融政策決定会合を注視しており、12日は動きにくかった」と分析していた。

2018/6/13 7:54
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31695700T10C18A6000000/