http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-44464536

米朝首脳会談 思わず二度見した6つの出来事
2018/06/13 36分前

12日にシンガポールで開かれたドナルド・トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の会談は、現職米大統領が北朝鮮指導者と初めて会うという歴史的な出来事だった。
最初の握手の瞬間から共同声明への署名まで、専門家たちは会談や、会談が将来の米朝関係に与える影響について分析を展開した。
しかし、会談当日に目撃された、いくつかの奇妙な瞬間にも注目が集まった。

1.ビーチ

大統領に就任する前のトランプ氏は不動産王として知られていた。
それでも、米国の大統領が北朝鮮のあまり知られていない観光資源について触れたのは、驚きだった。それは北朝鮮の海岸だ。
トランプ氏は会談後、記者団に対して、「あそこ(北朝鮮)にはすばらしいビーチがある。いつだったか大砲を海に向かってぶっ飛ばしているのを見ただろう。僕はこう言ったんだ。『おお、あの景色を見ろ。すばらしいマンションが建てられるんじゃないか』って」と語った。
米政府は現在、米国民に北朝鮮には渡航しないよう勧告しており、もし渡航するなら出発前に遺言書を残すべきだとしている。

2.写真撮影

両首脳がワーキングランチに着席しようとしていたとき、トランプ大統領は冗談交じりにカメラマンたちに向かってこう語った。「みんな、いい写真とってくれるよね? かっこよく、ハンサムでやせてるようにね?」
しかし、直後の金委員長の無表情から判断するかぎり、トランプ氏の発言は通訳されなかったようだ。

出された料理の一部には、朝鮮半島の人々でさえ首をかしげるものもあった。

3.プロモーション・ビデオ

記者会見場でトランプ大統領が姿を現すのを記者たちが待つ間、非常に変わった朝鮮語と英語の4分間の映像が流された。トランプ大統領はこのビデオを金委員長にも見せたと話した。
緊張感のある音楽と印象的な映像に、ドラマチックな口調でナレーションが入る。「この指導者は自分の国を前進させることを選ぶのか(中略)平和と手を結び、見たこともないような繁栄を楽しむのか。(中略)どの道を彼は選ぶのか」。
「ドナルド・トランプ大統領と金正恩委員長は、歴史を塗り替え、太陽の光の下で輝くため会談に臨んだ。唯一の瞬間。唯一の選択。未来はこれから決まる」

米紙ニューヨーク・タイムズのフィリップ・パン・アジア編集長はツイッターで、「トランプ氏が金氏に見せたびっくりするようなビデオはこれ。何から言ったらいいのやら」とのコメントと共に、プロモーション・ビデオを投稿した。

4.「野獣」

会談が終了した後、トランプ氏は金氏に自分がどんな車に乗って会場に来たのか見せることにした。「ビースト(野獣)」というあだ名で呼ばれる大統領専用リムジンだ。
両首脳が車に近づき、金委員長がちょっとの間、中をのぞく様子をカメラが追った。

5.署名に使ったペン

共同声明の署名の席に準備されていたのは当初、トランプ大統領のサインが金字で刻み込まれた黒いペンだった。
しかし直前に、金委員長の妹で大きな影響力を持つとされる金与正(キム・ヨジョン)氏が、金氏が使うペンをボールペンと取り替えた。
金氏のシンガポール訪問中は厳重な警備体制がしかれていたが、ペンを取り替えたのが安全面あるいは政治的な理由からだったのかは不明だ。

6.涙
(リンク先に続きあり)
(英語記事 Trump Kim summit: Six odd moments from the day)

トランプ氏によると、北朝鮮のビーチには経済的な潜在性がある
https://ichef.bbci.co.uk/news/410/cpsprodpb/E63A/production/_101983985_d3cat2.jpg