https://mainichi.jp/articles/20180614/k00/00m/030/103000c

韓国
与党が統一地方選で圧勝か 融和ムード受け
毎日新聞 2018年6月13日 20時48分(最終更新 6月13日 23時27分)

「共に民主党」 17首長選でソウル市など14カ所で圧勝
 【ソウル堀山明子】米朝首脳会談から一夜明けた13日、韓国の統一地方選と国会議員補欠・再選挙の投票が行われ、午後6時から開票が始まった。KBSなど地上放送3社の出口調査によると、北朝鮮に対する融和ムードを受け、南北対話を推進する与党「共に民主党」が広域自治体17カ所の首長選でソウル市など主要都市を押さえ14カ所で圧勝。補欠・再選挙も12選挙区のうち、10〜11カ所でリードしている。

 今回の選挙は、4月から2度にわたる南北首脳会談開催後の初の大型選挙。民主党は「平和の道を開く文在寅(ムン・ジェイン)政権に新しいエンジンを」▽保守野党の自由韓国党は「文政権の一党独裁を許すな」とそれぞれ訴え、地方選挙というより、事実上の文政権の信任を問う構図となった。70%以上の高い支持率を保つ文政権与党が勢いに乗って保守地盤を切り崩した。
 出口調査などによると、ソウル市長選は、現職で民主党の朴元淳(パク・ウォンスン)候補が、韓国党の金文洙(キム・ムンス)候補に大差をつけて3選を確実にし、2022年大統領選挙の与党有力候補者となった。昨年5月の大統領選に出馬した安哲秀(アン・チョルス)候補は中道保守系を統合させた新党「正しい未来党」から挑んだが3位とふるわず、政界再編論が再燃しそうだ。
 主要17首長のうち、民主党は前回獲得の9ポストに加え、首都圏の激戦区である京畿道や仁川市と、保守基盤の釜山市▽蔚山市▽慶尚南道の5カ所を保守系野党から奪う勢い。韓国党は前回の8ポストのうち、朴槿恵(パク・クネ)前大統領の地盤である慶尚北道と大邱市を維持するにとどまる見通しだ。済州道知事は保守系の無所属現職、元喜龍(ウォン・ヒリョン)候補が与党に対してリードしている。
 国会議員(定数300)の補欠・再選挙は、民主党が10区で勝利した場合、128議席となる。革新系野党の議席を合わせると、過半数に届く勢いで、文政権の国政基盤は強まりそうだ。
 投票率(暫定集計)は60.2%で、23年ぶりに60%を突破した。

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