農水省は12日、2018年産温州ミカンとリンゴの適正生産出荷見通しを発表した。生産目標となる適正生産量は、ミカンが84万トンと前年より3万トン減り、取りまとめを始めた01年以降で最低水準。リンゴは81万トンで前年並みとした。近年は両品目とも適正生産量が需要量を下回る状況が続いている。昨年末は、悪天候などで不作となり、ミカン相場が高騰。弱体化する生産基盤の立て直しが急務となっている。

 適正生産量は需給安定を目的に、その年に予想される需要量を算定して設定する。

 18年産のミカンの需要量は人口減少などを踏まえて前年より4万トン少ないと85万トンにした。これに対し予想生産量は、着花量が確保できている上、17年産が天候不順や着果不良で不作だった反動もあり、84万トンとした。前年実績の10万トン増を見込む。予想生産量が需要量を上回らなかったため、そのまま適正生産量とした。

 適正生産量から農家の自家消費分などを除いた適正出荷量は、75万5000トンで前年比2万5000トン減。うち生食用は68万トン、加工原料用は7万5000トンを見込む。

 リンゴの需要量は1万トン減の82万トン。一方で適正生産量は81万トンとした。小玉傾向や台風被害で少なかった前年実績を7万トン上回る。適正出荷量は72万5000トンと前年並みで、うち生食用は62万5000トン、加工原料用は10万トンとした。

 両品目とも適正生産量が需要量を下回る中で、同省は「摘果などの栽培管理や集出荷作業を省力化し、生産量の維持に取り組んでほしい」(園芸作物課)と呼び掛ける。

 この見通しを受け、全国果実生産出荷安定協議会(全果協)は14日にミカン、15日にリンゴの県別配分量を決める。

日本農業新聞

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