巨大な売り場であらゆる食料品や日用品を会員だけに販売するコストコ(Costco Wholesale Corp)。

1976年にカリフォルニア州サンディエゴにある飛行機・格納庫を改造して作られた、「プライスクラブ」という名の倉庫店は、今では世界最大級の小売チェーンに姿を変え、日本でも26の倉庫店を運営する。

個人会員(「Goldstar Member」と呼ばれている)は4400円、法人会員(Business Member)は3850円の年会費を課す会員制のコストコは今後、日本国内で店舗数を50まで増やしていくという。eコマースの巨人、アマゾン(Amazon.com)がリテール市場で勢力を強める中で、1999年に日本に上陸したコストコはその拡大のペースをどう維持していくのか?

40年間、リテールビジネス一筋にキャリアを積み上げ、コストコジャパンの拡大を牽引してきた日本法人社長、ケン・テリオ氏に話を聞いた。

2030年に50店舗は可能か

--日本で50店舗は現実的な目標ですか?

2030年の目標として実現可能なターゲットだと思っています。日本の人口減少の問題を考慮しても、今後12年で、我々は50に限りなく近づくことができると思います。例えば、人口3600万人ほどのカナダには100のコストコがあります。国土の広さや人口密度などの違いはありますが、たとえ2050年以降に人口が1億人を下回ると言われる日本において、50倉庫店は現実的な数字だと考えています。

--日本における顧客ターゲットは?

市場調査を行った時、我々はいくつかのキーワードを踏まえて見ていきました。平均収入、住宅所有、自動車保有。ターゲットの中央に位置する顧客グループは、平均もしくは平均以上の所得者層だと考えています。日本で事業を始めた頃、顧客の平均年齢は30代でしたが、今では40代なかばくらいです。

--会員制リテールビジネスを続けるコストコですが、日本市場で受け入れられてきた理由は何でしょう?

コストコはすべての倉庫店で、市場で販売されている価格よりも平均で30%〜35%を割り引いて商品を販売しています。たくさん買い物をしようと、週末にコストコにやってくると、たちまち多くの商品がカートの中に入ります。仮に一度に2万円の買い物をすれば、年会費の元はすでに取れたことになります。

品質と競争力のある価格。これがあらゆる市場で共通するコストコの強さだと考えています。口コミでコストコの強さが多くの市場で広がってきたことは事実です。私が初めて日本にやってきた時、「口コミだけでうまくいくわけがない」と言われました。

日本人は品質と魅力ある価格(価値)を重要視しますね。例えば、コストコで人気の牛肉「*プライム(USDA PRIME)」と「*チョイス(USDA CHOICE)」があります。プライムをコストコの価格で購入して、一度堪能してしまえば、通常のビーフに戻ることはなかなか難しいでしょう。

“プライム・ビーフとは:アメリカ農務省(USDA)が行うアメリカン・ビーフの8等級分けで、最高グレードに位置するビーフのこと。プライムを最高位に、「コマーシャル」「チョイス」「ユーティリティ」「セレクト」「カッター」「スタンダード」「キャナー」と続く。”

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