つまり三国時代の混乱は、農耕民族である漢民族を絶滅させた。そして
孔子、老子など偉大な思想を生み出した中国文化も消滅してしまった。
日本人が多大な影響を受けた漢民族が騎馬民族に入れ替わってしまった
のです。
ところが中国大好きな中国専門学者は中国が騎馬民族に征服されて、人種
が混ざっても、孔子時代の文化を継承してきた漢民族には違いないと信じ
てきたのです。
しかし実際はいわゆる漢民族は紀元二世紀で地球上から姿を消した。秦や
漢時代の中国人は、そのほとんどが大陸からいなくなりました。
このようなことを述べると必ず「たとえ異民族に征服されても元の住民が
全て消滅するなど有り得ない」と抗議されます。

この時代の中国の歴史を追っていきますと、紀元184年に起こった「黄巾
の乱」から三国時代まで大陸は戦乱に次ぐ戦乱で農業がストップし、
深刻な食料不足となり、中国人の大部分が餓死しています。

三国時代の混乱は随の文帝が中国を統一するまで、なんと400年も掛かっ
ています。人口の極端な減少が原因だと思われます。あの広大な大陸の
人口が僅か500万人足らずになっていたのです。

つまり三国時代の戦乱によって漢民族は絶滅し、日本人に今も影響を与え
続けている漢民族の都市文化が消滅してしまったのです。
だからほとんどの現代中国人にとって漢文は理解不能です。断言できます。

なんせ中国人たちは近代になるまで、自分たちが話している言葉を書き
表す手段がなかったのです。各地方ごとに言語が異なっているために共通
中国語というのは一度も存在しませんでした。