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ポンペイオ米長官が訪中 習主席らと会談へ
2018年6月15日 1時46分米朝首脳会談

アメリカのポンペイオ国務長官は中国・北京を訪れ、14日夜、習近平国家主席や王毅外相らと会談する予定で、史上初の米朝首脳会談の結果を説明し、北朝鮮への制裁の在り方など今後の対応についても意見を交わすものと見られます。

アメリカのポンペイオ国務長官は、シンガポールで米朝首脳会談に同席したあと、韓国を訪れて、14日午前、日米韓3か国の外相会合を行い、その後、日本時間の14日午後5時半すぎ、中国・北京の空港に到着しました。

ポンペイオ長官は、14日夜、習近平国家主席や副首相級の国務委員を兼ねる王毅外相と会談し、米朝首脳会談の結果について中国側に説明する予定です。

中国は、米朝首脳会談について朝鮮半島の非核化を進めるうえで重要な進展だと歓迎していて、会談では、北朝鮮への制裁の在り方など今後の対応についても意見を交わすものと見られます。

制裁をめぐって、ポンペイオ長官は14日午前、韓国で行った記者会見で「制裁の緩和は北朝鮮が完全に非核化しなければ起きない」と述べています。

一方、中国は「制裁そのものが目的ではなく、各国は現在の外交的な対話を支持するべきだ」などとして、制裁緩和の検討も排除すべきではないという立場を示しています。

トランプ政権の「CVID」とは

アメリカのトランプ政権は、北朝鮮の非核化の原則について、「CVID」という単語をキーワードに掲げています。

「CVID」という概念は、もともと、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議で、アメリカのブッシュ政権が2000年代前半から頻繁に使ってきました。英語で、「Complete,Verifiable and Irreversible Dismantlement」の頭文字をとった言葉で、日本語では「完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄」などと訳されています。

一方、このCVIDについて、トランプ政権はこのところ、最後の文字の「D」については「Denuclearization」=「非核化」という意味で使うことが目立っています。

これについて、アメリカのメディアや専門家からは、トランプ政権の『CVID』の定義があいまいになっているため、北朝鮮に核の廃棄を強く迫るアメリカの従来の姿勢が弱まったようにも受け止められるとして、今後の交渉にあたっては、「非核化」の定義をはっきりさせる必要があるとの指摘も出ています。

また、今月12日にシンガポールで行われた米朝首脳会談のあとに双方が署名した共同声明では、「CVID」の文言が含まれておらず、トランプ大統領は「時間が足りなかった」などと述べ、「非核化」をめぐる突っ込んだ議論に踏み込めなかったことを認めています。

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