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マルサの脱税告発額 平成に入って最低 バブル期の6分の1
2018年6月15日 0時02分

全国の国税局の査察部、いわゆる「マルサ」がこの1年間に刑事告発した脱税の総額は平成に入って最も少ないおよそ100億円で、最も多かったバブル期の6分の1にとどまりました。国税当局が把握するのが難しい海外の口座に資金が移されるケースが増えていることなどが背景にあるとみられます。

国税庁によりますと、全国の国税局の査察部がことし3月までの1年間に刑事告発した脱税事件は113件で、脱税の総額は平成に入って最も少ないおよそ100億円でした。

告発した脱税額はバブル期だった昭和63年度の627億円余りをピークに大幅に減少し、平成23年度以降は100億円台が続いています。

関係者によりますと、国税当局が把握するのが難しいいわゆるタックスヘイブンなど海外の口座に資金が移されるケースが増えていることや、金融取引のIT化でデータの解析に時間がかかることなどが減少の背景にあるということです。

また、脱税の手口も公開され、大阪国税局が摘発した事件では住宅の床下の隠し金庫から現金1億5000万円が見つかるなど、巧妙に資金を隠すケースも後を絶たないということです。

国税庁査察課の八原正夫課長は「外国の税務当局と協力して海外口座などの情報収集を強化するとともに『デジタルフォレンジック』と呼ばれる電子データの解析技術も積極的に活用し、悪質な脱税の摘発を進めたい」と話しています。