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移民問題で対立 伊・仏の両首脳が会談へ
2018年6月15日 4時31分

移民に厳しい政策を掲げるイタリアの新政権がアフリカなどからの難民や移民620人余りの受け入れを拒否した問題で、イタリアのコンテ首相は、対応を厳しく非難したフランスのマクロン大統領と15日に会談することになり、両国がこの問題で歩み寄れるかが焦点です。

イタリア沖の地中海では、アフリカなどから渡ってきた難民や移民620人余りが救助を求めていましたが、イタリア政府は11日、「EU=ヨーロッパ連合のほかの加盟国も難民の受け入れを分担すべきだ」などと主張し、人道支援を行うフランスの団体が運航する船の入港を拒否しました。

これについて、フランスのマクロン大統領が「無責任な対応だ」などと厳しく非難したのに対し、イタリア政府は13日、両国の経済相の会談を急きょ延期するなど、対立が表面化していました。

こうした中、イタリアのコンテ首相は13日夜、マクロン大統領と電話会談し、地中海沿岸のイタリアなどに負担が集中している難民や移民の受け入れなどをめぐって、15日にパリで会談することで合意しました。そのうえで、今月末に行われるEUの首脳会議で議題として提案するため協議するとしています。

イタリアの新政権が難民や移民の受け入れを拒否した問題では、各国で意見が分かれるなどEU内部の亀裂が深まりかねないだけに、両国が歩み寄れるかが焦点です。

独首相 EU各国の連携呼びかけ

難民や移民の受け入れを拒否したイタリアの対応をめぐって、フランスとイタリアが互いに批判し合うなど波紋が広がる中、ドイツのメルケル首相は13日、ベルギーの首相との会談の後、「ほかの国と議論し合意して取り組むことが重要で、そうすればヨーロッパとして統一したアプローチを取ることができる」と述べ、EU各国の連携を呼びかけました。また、メルケル首相は、移民や難民の問題について「ヨーロッパの未来と一体性を占うリトマス試験紙のようなものだ」と述べました。

その一方で、メルケル首相は、ドイツ国内で難民の受け入れに厳しい姿勢のゼーホーファー内相と、今後の受け入れ方針をめぐって対立していることが明らかになり、ゼーホーファー内相はイタリアの今回の対応に理解を示すなど政権内の意見が一致しておらず、移民問題をめぐって厳しいかじ取りを迫られています。

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