松江市内の宍道湖の一部を違法に埋め立てたとして、島根県警松江署は13日、
同県出雲市斐川町学頭の会社役員、荒川悦秀容疑者(71)を河川法違反の疑いで逮捕した。
国土交通省出雲河川事務所によると容疑者は江戸時代の水面利用権「水代(みずしろ)」を得ていると主張し、
1995年ごろから2015年10月にかけて湖岸約1500平方メートルを埋め立てたという。

 逮捕容疑は15年8月8日、国交相の許可を得ずに松江市玉湯町の宍道湖の湖面約50平方メートルを
ショベルカーで埋め立てたとしている。荒川容疑者は「何も話したくない」と供述しているという。

 埋め立てに対する付近住民の抗議などを受け、同事務所は計35回にわたり原状回復を文書で指示したが、
容疑者側は水代を主張して応じなかったため、先月7日、同署に告発状を出していた。

 水代は、旧松江藩が新田造成が見込める浅い湖底について埋め立て出願者に免許した私有水面とされる。
同事務所は毎日新聞の取材に「水代の権利があるからといって勝手に埋め立てることはできず、
河川法違反の除外にはならない」とコメントした。

 宍道湖は日本一のシジミ漁獲量を誇り、斐伊(ひい)川水系の一部。
国際的に重要な湿地としてラムサール条約に登録され、国交省が許可しない埋め立ては禁じられている。【前田葵】

毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20180614/ddp/012/040/018000c