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https://youtu.be/aLVhXRFg4HI
https://youtu.be/fgxanywlFAg

トム・プライス(Tom Pryce)本名 : トーマス・モルドウィン・プライス(Thomas Maldwyn Pryce, 1949年6月11日 - 1977年3月5日)はイギリス出身のレーシングドライバー。
1977年キャラミサーキットで行なわれた南アフリカグランプリ決勝中、プライスの同僚であるレンツォ・ゾルジがエンジントラブルに見舞われ、ピット正面のコントロールラインをやや過ぎたあたりのコース脇にマシンを止め降車した。
その直後にゾルジのマシンから炎が上がったため、消火器を手にしたマーシャル2名がコースを横切り、ゾルジの車に走り寄ってきた。

現場は各マシンが高速で駆け抜けるホームストレートで、しかもキャラミ名物の急勾配を登った先のため見通しが悪く、ホームストレートの頂上付近でゾルジのマシンが停まってしまったため、下から上ってくるマシンの死角となり危険な状態だった。

このときプライスは22周目でハンス=ヨアヒム・スタックを追いかけながら事故現場付近に高速で接近していた。前を走るスタックはコースを横切るマーシャルに気付きとっさに避けることができたが、
すぐ後ろを走っていたプライスはなすすべもなくマーシャルのジャンセン・ヴァン・ヴーレン(Jansen van Vuuren)を撥ねてしまい、その際マーシャルが手にしていた消火器がプライスのヘルメットを直撃、
ヘルメットは割れ吹き飛ばされて顎紐がプライスの首を切りつける形になり、プライスはマシンに乗ったまま即死した。27歳没。

プライスに撥ねられたヴァン・ヴーレンも、時速300km近いスピードでぶつけられた衝撃で体が引き裂かれ、上半身が縦方向に激しく数回転しながら宙を舞い、そのまま地面に叩き付けられるという状態で即死している。
事故の一部始終はシネカメラで撮影されており、モータースポーツ史上で最も衝撃的な事故映像のひとつになっている。遺体の損傷も激しく、レース後全員を集合させ、欠員を確認してようやく身元が判明したほどだった。

プライスは足がそのままアクセルを踏み続けていたと見られ、マシンは270km/hでホームストレートを暴走、インコースのガードレールに接触したまま第1コーナーに突っ込み、
コーナーに向け減速していたジャック・ラフィットのリジェに接触し巻き込むように1コーナーを直進しコースアウト。ラフィットはブレーキをかけてマシンをコントロールし、最悪の事態からは免れた。

ようやく停止したプライス車に救護班が駆け付けたが、コックピットの中は血液と体液が入り交じった状況であり、プライスは仰向でハンドルを握り、アクセルを踏み込んだ形のまま硬直していた。
マーシャルを轢いた事でマシンが操縦不能になったものと思われたが、何もできずに1コーナーを直進したという事が判明した。

事故の原因は不慣れなマーシャルが不用意にコースを横切ったことだと見る意見が多く、プライスは不運なもらい事故で死亡したことになる。