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2018年06月21日 17時53分

 長崎県平戸市沖で200キロを超えるナマコを密漁したとして、佐世保海上保安部が佐世保市の漁師の兄弟3人を漁業法違反などの疑いで逮捕していたことがわかった。3人は20日、長崎地裁佐世保支部(中牟田博章裁判官)で開かれた初公判で起訴事実を認めた。

 逮捕されたのは、いずれも同市小佐々町楠泊の漁師の長兄(49)、次兄(45)、弟(35)の3被告。同法違反と水産資源保護法違反で5月に起訴された。

 起訴状によると、3人は共謀し、4月18日夜から19日未明にかけ、平戸市漁協が漁業権を持つ同市の下枯木島周辺の海域でナマコ約216キロを密漁したとしている。

 冒頭陳述で検察側は、密漁は約5年前から始まり、長兄が空気ボンベを背負って海底のナマコを取り、次兄が漁船の操船、弟がナマコの売却や県の漁業取締船の監視などを担っていたと指摘。それぞれ毎月約20万円の利益を得ていたと主張した。

 一方、被告人質問で検察官から犯行動機を問われた長兄は、「イカが不漁で、兄弟の生活を守りたかった」と述べた。

 検察側は「他の漁業者の生活の糧を奪いかねない、計画的で悪質な犯行」として、それぞれに懲役10月、罰金30万円を求刑。弁護側は情状酌量を求めて即日結審した。判決は28日。