畑の小屋で銃弾のようなもの 基地の流れ弾か 沖縄 名護
2018年6月22日 22時30分
21日午後、沖縄県名護市で畑にある農作業用の小屋の窓ガラスが割れ、近くで銃弾のようなものが落ちているのが見つかりました。けが人はいませんでした。警察は、近くにあるアメリカ軍基地からの流れ弾の可能性もあると見て調べることにしています。
警察によりますと、21日午後２時すぎ、名護市数久田で、畑の中にある農作業用の小屋の窓ガラス２枚が割れていると所有者の男性から通報があり、小屋の中から銃弾のようなもの１つが落ちているのが見つかりました。
銃弾のようなものは、直径およそ１センチ、長さ５センチほどで、警察が現場から回収しました。けが人はいませんでした。
小屋がある地域はアメリカ軍基地のキャンプシュワブに隣接していて、基地では、今月18日から実弾射撃訓練を行うと県に通知していました。警察は、流れ弾の可能性もあると見て、銃弾のようなものを鑑定するとともに、アメリカ軍に問い合わせるなどして調べることにしています。
小屋の所有者の男性は「ガラスの割れ方が、小さい物が高速で通った痕だった。延長線上のブロックの壁に傷があった」と話していました。
沖縄県によりますと、県内では、去年４月に恩納村にあるアメリカ軍基地内の工事現場で訓練の銃弾が見つかったほか、平成14年には今回と同じ名護市数久田で農作業をしていた男性の目の前に銃弾が着弾していて、本土復帰以降、基地周辺で銃弾などが見つかったケースは、少なくとも28件あります。
基地の周辺で銃弾 ほとんどは住宅地などの民間地
沖縄県によりますと、本土復帰以降、アメリカ軍基地の周辺で銃弾などが見つかったケースは少なくとも28件確認され、そのほとんどは住民が暮らしている住宅地などの民間地で見つかっています。
このうち、平成20年には、アメリカ軍基地キャンプハンセンに隣接する金武町の住宅地で、止めてあった車のナンバープレートにアメリカ軍の銃弾が突き刺さっているのが見つかりました。
また平成14年には、今回、銃弾のようなものが見つかったのと同じ名護市数久田のパイナップル畑で、作業をしていた男性の目の前に長さおよそ5.8センチの銃弾が着弾しました。
アメリカ軍基地キャンプシュワブやキャンプハンセンの訓練場では、実弾を使った射撃訓練が頻繁に行われていて、銃弾が住宅などの近くで見つかるたびに、住民からは不安や抗議の声が上がっています。
県副知事「怒りを禁じえない」
沖縄県の謝花副知事は、21日夜７時ごろ県庁で記者団の取材に対し、「まだ詳細がずわからず、警察の捜査を待ちたいが、仮にアメリカ軍による銃弾であれば一歩間違えば大きな問題で、怒りを禁じえない」と述べました。そのうえで、「アメリカ軍のものというのが明らかになれば、抗議するとともに、日本政府にも訓練の在り方の再検討などを要請しないといけないと考えている」と述べました。
名護市の渡具知市長は、午後７時半ごろ、銃弾が見つかった現場の近くを訪れ、地元の区長から説明を受けるなどしていました。渡具知市長は記者団に対し、「平成14年に、この近くで同じように銃弾が見つかったことがあったことを思い出した。事実関係を確認したい」と述べました。
名護市数久田地区の比嘉幹和区長は、記者団に対し、「こういったことは絶対にあってはならない。農家のかたたちは一生懸命仕事をしているわけですから、許されることではない」と述べました。
