https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180707/k10011519531000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_002

欧州委員会 新たな難民流入制限策を9月に提案へ
2018年7月7日 6時52分

ドイツのメルケル首相が発表した新たな難民・移民対策に各国が反発する中、EU=ヨーロッパ連合の執行機関にあたるヨーロッパ委員会のユンケル委員長は、域外からの難民や移民の流入を制限するための新たな提案をことし9月にまとめる考えを明らかにしました。

ヨーロッパ委員会のユンケル委員長は、EUの議長国を務めるオーストリアを訪れてクルツ首相と会談したあと記者会見し、地中海の沿岸など域外からの難民や移民の流入を制限するための新たな提案をことし9月にまとめると明らかにしました。

提案では、域外との国境警備隊を2020年までに1万人増員する計画などが盛り込まれる予定で、ユンケル委員長は「難民・移民問題を解決するには現状を変える必要がある」と強調しました。

一方、オーストリアのクルツ首相は「難民や移民を隔たりなく受け入れるとしたこれまでの政策は間違いだ」と述べて、ヨーロッパに入る前に保護すべき難民かどうかを審査する施設をEU域外に設けるべきだと主張しました。

また、クルツ首相は、ドイツのメルケル首相が政権内の対立を解消するため、新たに発表した一部の難民や移民をオーストリアに送り返すという方針について「わが国の責任ではない難民や移民は受け付けない」とくぎを刺し、EU全体で合意できる対策が必要だと強調しました。