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>たとえ微量のメチル水銀でも胎児期にさらされると子どもの知能指数に深刻な影響が出るとの最新の研究結果を報告した。

海産物由来のメチル水銀は小児の神経発達に軽度障害を生じさせていることを示した。



2004.
フェロー諸島における出生コホート研究
http://www.med.akita-u.ac.jp/~eisei/kankyo1.pdf
7. リスク評価からリスク管理へ
フェロー出生コホート研究から得られた結果は、海
産物由来のメチル水銀は小児の神経発達に軽度障
害を生じさせていることを示した。1989 年にフェロー
諸島公衆衛生部は、成人は月当たり150〜200gのゴ
ンドウ鯨肉を、また100〜200gの脂身を超えて食べ
るべきでないと勧告していた。しかしながら、メチル
水銀とともにPCBによる健康影響も考慮して、1998
年8月に新たな食事事勧告を出した35)。すなわち、
鯨肉は水銀含有量が高くかつフェロー諸島住民の
主たる水銀曝露源であることから、@鯨肉を月2回
以上摂食しない、A3ヶ月以内に妊娠を予定してい
る女性や現在妊娠中あるいは授乳中の女性は鯨肉
を食べない、また鯨の脂身には高濃度のPCB が含
まれるので、B成人でも脂身の摂食は月に最大2回
までに抑える、C潜在的なPCB の有害影響に胎児
が晒されないため、女性は出産を終えるまで鯨の脂
身を食べない、Dゴンドウ鯨の肝および腎臓は全く
食べないよう勧告した。この結果、フェロー諸島にお
ける毛髪水銀濃度が10 μg/g 以上の母親の割合は
1986/1987 年に13 % 、1994 年に10 % 、
1998/1999 年に3.0%と減少した。まさに、フェロー
諸島で行われた研究は単なる調査データから予防
医学活動への架け橋となったのである。