毎日新聞 2018年7月10日 09時18分(最終更新 7月10日 09時18分)
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岡山方面から入荷するパンが品切れとなり、お断りが掲示された売り場=香川県のコープ栗林店で2018年7月9日、植松晃一撮影

 西日本豪雨の影響で流通網が混乱し、香川県内のスーパーなどでも一部商品が品薄となっている。瀬戸中央道が長時間ストップして輸送に支障が出たのに加え、岡山や広島などで操業を停止しているメーカーもあるためだ。徐々に解消しつつあり、店舗も「おことわり」を掲示して対応しているが、完全復旧の見通しは各社とも立たない状況だ。

 豪雨では、瀬戸中央道が7日午前5時半に上下線で通行止めとなった。香川へ向かう下り車線の規制は午後4時に解除されたものの、本州側の高速道路で通行止めが起きたり、一般道で冠水したりした。

 コープかがわ(高松市)では7日朝から商品の到着が遅れ始めた。7日午前0時ごろに高松へ戻る予定で神戸にパンやバナナの入荷へ向かったトラックが渋滞などに巻き込まれ、8日午前3時着と27時間も遅れた例もあったという。影響が尾を引きそうなのが、組合員へ配達する共同購入の商品。注文に応じて配達前日に仕分けするためで、前日までに入荷できていないと配達できないという。

 コープ栗林店(高松市藤塚町3)では、高知道が不通となった影響から高知産のナスや大葉が入荷しなかった。ただ、県内産は入荷できている。また、岡山県内で製造するパンや広島県内で製造しているカット野菜などは入荷が止まり、売り場におことわりを掲示した。内海泰忠店長(57)は「発注を下回る量しかない商品もあり、全体として陳列棚は普段よりすいている。10日以降も特売チラシの商品が十分確保できないかもしれない」と話していた。

 一方、ハローズ(本部・岡山県早島町)では、8日にパン売り場が空になる店舗もあった。豆腐や納豆など岡山側から届く商品も品薄となったが、本部の担当者によると、9日は納品状況が平常時の80%を超える状態に回復したという。だが、中国地方には操業を再開できていないメーカーもあり、完全復旧にはしばらくかかりそうだという。【植松晃一】