Tシャツ姿で登場
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 7月7日午後8時24分、NHKの緊急地震速報は、放送中だった土曜ドラマ「バカボンのパパよりバカなパパ」を途中で打ち切って始まった。8時23分に千葉県で震度5弱の強い揺れが起こってから、わずか1分後の緊急放送である。さすがは「みなさまのNHK」、素早い対応だ。しかし、そこに現れたのは――。

「緊急地震速報です。午後8時23分頃、関東地方で強い地震がありました。震源については現在、気象庁で調べておりますが、震源が海底ですと津波のおそれがあります。海岸や川の近くからは離れてください」

 緊迫感をもって伝えるアナウンサー。東京23区は震度3ではあったが、長い揺れが続いた。慌ててチャンネルをNHKに合わせた視聴者も多かっただろう。地震の規模の大きさ、行動する際には足下に気をつけることなど、繰り返しアナウンスされる。

「新しい情報が入りました。この地震による津波の心配はありません。茨城県東海村にある東海第2原子力発電所は停止中であるため……」

 画面には千葉県銚子市や千葉市中央区、そして東京渋谷のNHK放送センターに設置されている定点カメラからの映像が流れている。

 スタジオには社会部記者が加わり、地震の解説も始まった。

 緊急地震速報が始まってから20分後、「それでは、NHK千葉放送局から伝えてもらいます」と画面が切り替わった、そこには――。

■タッ、タッ、タ、タイミングで

 サーフブランドの「Piko」のTシャツを着た、頭はボサボサの黒縁メガネ、バカボンのパパのような薄ら髭の男が座っていた。

「NHK千葉放送局の五十嵐です。地震発生当時、千葉局にはディレクターの私一人しかいませんでした。地震の発生した、タッ、タッ、タ、タイミングでは、こ、小刻みな……」

 画面には「五十嵐鐵嗣雅(※てつや)千葉局ディレクター」とテロップが現れるも、画面は千葉市中央区地震発生時の映像に切り替わる。その間、15秒――それを知ってか知らずか、五十嵐Dの声は続く。

五十嵐D:小刻みな揺れがありまして、その後大きく横にユーラ、ユーラと揺れるような時間が長く続きました。立ち上がって電話など取ろうとしていたら、少し目眩がするような感じがありました。その当時、鴨川市の方と電話で取材をしていたのですが、鴨川のほうもかなり揺れているようでありましたが、鴨川、千葉局、どちらもその現場では、モノが落ちたりというところまではありませんでした。以上、千葉局から伝えました。

――おそらくホッとしたと思われる五十嵐Dだが、東京のアナウンサーは許してくれない。

「えー、引き続き質問します。その後の揺れなどはどうでしたでしょうか?」

五十嵐D:……今現在は、揺れは収まっているようですが、その後、電話などしている最中も、少し微妙な揺れを感じることはありました。

「局内から外を見るような機会はありましたか?」

五十嵐D:すいません。外を見るような時間はございませんでした。

「しかし、揺れは強く、ユラユラとした揺れを感じたということですね」

五十嵐D:そうですね、横に大きく揺れ……。

「わかりましたっ! 千葉放送局から伝えてもらいました」

 五十嵐Dは、その声までも途中で打ち切られ、その後、番組が終了する午後9時まで2度とその姿を現すことはなかった。

■働き方改革は、進む

 NHK関係者が言う。

「最初こそ、もうちょっとマトモな服装して出てきたらどうかと思いましたが、一生懸命やってましたね。“外を見る”余裕すらない中、自身の体験を要領よくまとめていたと思いますよ」

 それにしても、なぜ千葉放送局にはアナウンサーはいなかったのか。番組では五十嵐D以外にも、現場からの実況中継を行ったスタッフが2人いた。しかし、そのいずれもカメラマンであり、1人は声のみ、もう1人は千葉市から長南町へ移動中の車内からだった。

「発生時、私は自宅で休んでいたのですが、強い横揺れで目が覚めて、急いで会社に来た状況です」と、車中からの映像を流しながら状況を説明していたのである。

>>2以降に続く

2018年7月10日 デイリー新潮
https://www.dailyshincho.jp/article/2018/07100720/?all=1&;page=1

★1が立った時間 2018/07/11(水) 21:02:59.19
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