被災地に提供されるろ過装置の1機種=日本原料提供
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毎日 毎日新聞2018年7月19日 12時44分(最終更新 7月19日 13時04分)
https://mainichi.jp/articles/20180719/k00/00e/040/316000c
西日本豪雨による土砂崩れで断水が続く愛媛県宇和島市の吉田町地区で、同市など3市1町でつくる南予水道企業団は、熊本地震などでも活躍した特殊なろ過装置を導入する。浄水場が土砂に埋没し、現在地での復旧を断念したためだ。1台で最大1日約900トンの水を供給でき、複数台の設置で需要量の6〜7割を満たせるという。
装置はろ過材メーカー「日本原料」(本社・川崎市)が計7台を提供し、吉田町地区に、隣の三間町地区に来月下旬までに設置する計画。ろ過タンク(直径約2メートル、高さ約3メートル)と配管がセットになっており、縦6メートル、横12メートルほどのスペースがあれば設置可能。特殊な技術で、ろ過に使う砂の交換は不要という。
過去の災害でも水は災害復旧に不可欠だった。2016年4月の熊本地震では、山崩れで断水した熊本県小国町の杖立温泉でろ過装置が使われた。地元観光協会の田辺龍市副会長(67)は「旅館にとって水は死活問題だったが、5月の連休までに営業を再開できた」と話す。昨年7月の九州北部豪雨で断水した福岡県朝倉市でも導入し、復旧が進んだ。
愛媛県環境政策課は「宇和島市の浄水場は壊滅的な被害で復旧を断念した。ろ過装置を一日でも早く稼働させて、猛暑に苦しむ被災者に水を届けたい」と話している。【山田毅】
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