世界文化遺産に昨年7月に登録された沖ノ島(福岡県宗像市)の周辺の岩場や岩礁の計8か所に、磯釣り用とみられるくいや柵、鎖が設置され、福岡県などが撤去を検討していることが分かった。島は、所有する宗像大社(同)の関係者以外の上陸が禁じられており、県などは「放置すれば無断上陸にもつながりかねない」としている。

 県や宗像市によると、くいなどが設置されているのは島の北側にある岩場の6か所と、「御門柱みかどばしら」と呼ばれる岩礁内の2か所。島周辺の保全に向けた昨年以降の調査で確認された。一帯は好漁場として知られ、釣り道具を置くなどする目的とみられ、設置者や時期は分かっていない。

 岩場のほとんどは所有者のいない「海」との位置付けで、船で乗り付けて釣りをしても、これまで不法行為とはみなせなかった。一方で、釣り客らが岩場を傷つけたり、岩場を伝って島に上がったりすることが懸念されていた。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20180728-OYT1T50023.html