外科医は肉体労働。

順天堂大の天野篤先生(天皇の執刀医)

16年4月に順天堂医院の病院長に就任してからも、朝5時に起床、バナナと缶コーヒーと野菜ジュースだけの朝食を取って、
メールや書類に目を通し、会議に手術にとフル回転する。昼は会議で弁当が出ることもあるが、ポテトチップスなどの
スナック菓子をつまむだけのことも多い。

 「ちゃんとしたベッドで寝ると、かえって休めなかったりします。睡眠は4時間ぐらい。
ときどき疲れていることもあるので、寝過ごさないように、いつもと違う目覚ましをかけて仮眠することがあります」と天野氏。

天野氏は9年前、橋本病(慢性甲状腺炎)を発症し、甲状腺機能亢進(こうしん)状態から心房細動を起こしたことがあった。
薬物療法で症状は治まったが、その後油断して経過観察を怠った。治療せずに放置すると、心臓に血栓ができ脳の太い血管に詰まる
心原性脳塞栓症を起こす恐れがあることも当然知っていた。医者の不養生である。

 「慢性化したら1日3件できる手術も2件しかできなくなっちゃうかななどと、行動が制限されることを想像しては、
そんなことあるはずがないと自分の中で否定していました。今は定期的に採血して不整脈の薬の量も調節してもらい
ながら、うまく付き合っています」と自嘲気味に話す。

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