https://gigazine.net/news/20180807-huawei-withdraws-american-market/

2018年08月07日 16時00分 モバイル
Huaweiがアメリカ市場から全面撤退すると報じられる

スマートフォンのシェアでAppleを抜いて世界2位に踊りでた中国のHuaweiが、アメリカ市場から全面撤退すると韓国のITニュースメディアetnewsが報じています。

화웨이 美 사무소 전면 철수한다 - 전자신문
http://www.etnews.com/20180803000311

FBI・CIA・NSAといったアメリカの諜報機関で長官を務める人物たちが、口をそろえて「アメリカ市民はHuawei製の製品およびサービスを使用してはいけない」と警告、その後、アメリカ連邦通信委員会も同様の呼びかけを行い、アメリカ市場からHuawei製品を締め出すための動きをみせていました。

アメリカ当局からの圧力により大手通信キャリアのAT&TやVerizonとの契約も終了していたHuaweiですが、ついにアメリカ市場でのビジネス展開を諦め、市場から全面撤退する判断を下したとetnewsが報じています。

etnewsが独自に入手した情報によると、「Huaweiはアメリカにある3つの事務所をすべて撤収する予定」であり、その原因は「アメリカ政府および議会からの相次ぐ圧力」にあるとのこと。携帯キャリア関係者は「Huaweiがアメリカにある事務所を撤退するために、3〜4カ月前から準備を行っていたことを知っている」と話しており、さらに「現在は事実上アメリカでのモバイル事業が中断されている状態だと聞いている」とも説明しています。なお、etnewsが韓国のHuaweiで働く関係者から入手した情報によると、アメリカ市場からの撤退は「本社による決定事項」とのことです。

アメリカ市場からの撤退に先立ち、Huaweiは2018年の初めにワシントン事務所で対外業務を統括していたビル・プラマー副社長を解任しています。プラマー氏は1990年からアメリカで外交部門の職員を務めてきた人物で、ノキアで活躍したあと、2010年7月からHuaweiで働いていました。事実上、Huaweiとアメリカ政府間の橋渡し役を務めていたという人物であり、アメリカ市場からの撤退を決めたことでプラマー氏の解雇に踏み切ったのではないかと考えられます。

なお、etnewsはHuaweiのアメリカ市場撤退は、短期的に見ればアメリカでの第5世代移動通信システム(5G)関連機器のセキュリティ上の問題が解決することにつながり、アジア・ヨーロッパ・アフリカといった市場により投資を集中させることが可能になるとしています。長期的な視点で見ると、「アメリカ市場攻略に向けた速度を調節したものとも捉えられる」としており、Huaweiにとってアメリカ市場は無視できない存在であるため、現状の大きな問題となっているアメリカと中国の間で起きている貿易摩擦が改善されたのち、アメリカ市場へ再参入するという計画を立てたのでは、とetnewsは推測しています。

なお、Huaweiは2013年にも同じようにアメリカ市場から一時撤退していました。