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お盆で帰省してきた子や孫にあげるお小遣いを「お盆玉」と呼ぶのをご存じだろうか。
8年前に山梨県の文具メーカーが専用のポチ袋を販売し始め、郵便局や大型量販店でも目にするほど浸透してきた。
シニア世代を対象にした銀行の調査でも、約4割がお盆玉を認識し、関西での相場は孫1人当たり「6千円弱」とか。
新たな夏の風物詩に、祖父母からはぼやきも聞こえてきそうだが、商戦は加熱しつつある。

兵庫県西宮市和上町の西宮郵便局では6月から、ひまわりや花火など夏の絵柄があしらわれた
お盆玉専用のポチ袋8種類を販売。お年玉用と比べると売れ行きは低調だが、「こんな商品があるのか」
と手に取る人がいるという。日本郵便によると、2014年から取り扱いを開始し、今夏は全国約1万局で販売している。

神戸市中央区の東急ハンズ三宮店でも「夏ぽち」と題した特集コーナーを展開。お盆玉袋に加え、
「ほんの気持ち」などと書かれた夏用のポチ袋66点を扱う。売れ筋は3枚入り300円程度の商品で、
高齢者に加えて若い女性も購入する。

お盆玉という言葉を考案したのは、山梨県の文具・紙製品製造メーカー「マルアイ」。お年玉の夏バージョンとして
名称を商標登録し、10年から専用のポチ袋を販売。当初と比べ売り上げは3〜4倍に伸びたが、
「お年玉もあるのに、こういう文化を増やさないでほしい」といった厳しい声も寄せられる。

お盆玉に似た風習は昔から、東北地方などの一部であったという。山形県立博物館(山形市)の聞き取り調査などによると、
江戸時代後期には、盆に帰省する住み込みの奉公人に金銭を渡す「盆小遣い」という習わしがあったとみられ、
昭和初期には子どもへ渡すようになったという。

あおぞら銀行(東京都)が今年6月、55〜74歳のシニア世代男女約2千人を対象に行った調査では、
37・2%がお盆玉を知っていると回答。前年(28・9%)を大きく上回った。平均金額は関東で6300円、
関西で5800円だった。

かわいい孫のため−。ついつい財布のひもが緩くなるおじいちゃん、おばあちゃんが増えているようだ。


郵便局の一角で販売されているお盆玉用のポチ袋=西宮市和上町
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